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【スペイン・フラメンコ復興ニュース】ヘレスのフェスティバルと日本人
- 2023/2/8
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毎年2月下旬から3月にかけて開催されるヘレスのフェスティバル。世界で唯一のフラメンコ舞踊とスペイン舞踊のフェスティバルです。フラメンコのフェスティバルはスペインのみならず世界中に、他にもたくさんありますが、舞踊が主役というのはここだけ。歌やギターのコンサートなども少しありますがメインとなるのは舞踊。第一線で活躍するアーティストたちはもちろん、中堅や若手たちなどが主役になったり、ボレーラなどスペイン舞踊の公演があったり。
第一回のフェスティバルが開催されたのは1997年春のこと。記念すべき開幕公演はアンダルシア舞踊団によるものでした。コルドバのギター祭をお手本にした、クラスを開催し、クラスに参加すれば劇場公演にも入場できるというシステムが始まるのは翌年からで、初年度はアンダルシア舞踊団のダンサーたちとヘレスの舞踊クラスに通う若手たちにマノレーテらがマスタークラスを開講したくらいでした。舞踊団にはラファエル・カンパージョやアリシア・マルケス、ウルスラ・ロペスらがいたしヘレスの若手にはメルセデス・ルイスがいたことを覚えています。公演ではビセンテ・アミーゴもあってまだ少年だったディエゴ・デ・モラオが観にきたことも。
その後、2000年までは聖週間の後、セビージャのフェリアの時期に開催されていましたが、2000年にオートバイの世界選手権と時期が重なり宿泊が取れなくて大変なことになり、翌年からは2月末のアンダルシアの日を挟んでの3月はじめまでの2週間に変わりました。熱心な日本のフラメンコファンはプロアマ問わず、初期の頃から多くのクラスに参加してきました。パンデミック前までのクラス参加者の統計では常に日本人が一番多かったほどです。
日本人アーティストが初めて出演したのは2004年。鍵田真由美/佐藤浩希のカンパニーによる『曽根崎心中』がサラ・コンパニアで上演されたのです。フェスティバルのメインの公演はビジャマルタ劇場ではありますが、客席数が多いということもあり、集客力のある地元アーティストの公演の日に、より実力があると思われる、例えばラファエラ・カラスコとベレン・マジャだったり、イスラエル・ガルバンだったりがコンパニアに出演しているということなどもありました。イスラエルの『エダ・デ・オロ』の初演もここだったんですよ。鍵田佐藤舞踊団は2013年もコンパニアで『アモール、アモール、アモール』を上演しています。
ビジャマルタ劇場で初めて公演した日本人は小島章司フラメンコ舞踊団。2011年『ラ・セレスティーナ』でありました。以後、2014年、16年、18年、20年と出演。16年の公演にはエバ・ジェルバブエナとミゲル・ポベーダがゲスト出演。18年の、多国籍アーティストによる公演には今枝友加も出演しました。
今年も小島章司が出演します。ハビエル・ラトーレ、メキシコ人カレン・ルゴ、ブラジル人ガブリエル・マティアス、今枝友加、ハビエルの愛娘アナらとムセオ・アタラジャの舞台で『トダ・ウナ・ビダ』という作品を上演予定です。
3/1(水)18時30分『トダ・ウナ・ビダ』
[出]〈b〉小島章司、ハビエル・ラトーレ、カレン・ルゴ、ガブリエル・マティアス、今枝友加〈c〉ロンドロ、ミゲル・ラビ、〈g〉チクエロ、〈perc〉ペリーコ・ナバーロ
また、佐藤浩希は、今年で第12回を迎えるオフ・フェスティバルの方に、歌い手アントニオ・マレーナのリサイタルにゲスト出演予定です。オフ・フェスティバルはビジャマルタ劇場からも遠くないグアリダ・デル・アンヘルというライブハウスで開催されています。フェスティバル期間中は地元の教室の発表会的公演から有名アーティストのリサイタルまで毎日2〜4回公演が開催。最近ではこちらの公演を目当てにやってくる人もいるとかいないとか。萩原淳子も毎年のように出演しています。
◇オフ・フェスティバル2022
2/24(金)
23時[出]〈b〉セルヒオ・アランダ、梶山彩沙/15ユーロ
2/27(月)
19時[出]〈b〉ベタニア・バロス、野上裕美/12ユーロ
3/1(水)
19時[出]〈b〉フェルナンド・ヒメネス、萩原淳子/15ユーロ
21時[出]『アルマ・フラメンカ』〈b〉瀬戸口琴葉、岸田瑠璃、 山本秀子、黒須信江、〈c〉ジョナタン・レジェス、ゲスト〈c〉エンリケ・エル・エストレメーニョ、〈g〉ニョニョ・サンティアゴ/15ユーロ
3/9(木)
23時[出]〈b〉佐藤浩希、〈c〉アントニオ・マレーナ/18ユーロ