フラメンコ 2030

10月4日、世界最大のフラメンコ祭、セビージャのビエナルは無事、閉幕しました。出演予定者に感染者が出て1公演中止になったものの、あとはなんとか全公演、順調に行われたのは喜ばしい限りです。

10月13日には今回のビエナル総括記者会見が行われました。それによると、8月14日から10月4日までの59日間（8月は週末だけだったので、実質的には37日間ですね）49公演。劇場は定員の半分しか入れませんでしたが、延べ人数でおおよそ15000人の人がフラメンコ公演を楽しんだということです。また、ストリーミングの反応も非常に良好で、日本からのアクセスも多かったそうです。

劇場公演は定員の半分、入場時には手指消毒、マスク着用という予防が徹底した成果もあるでしょうが、この時期に、規模縮小しながらもメガフェスティバルを実施できたということは非常に意味のあることだと思います。

ビエナルが自粛期間以降初めての舞台だったというアーティストも多く、例年より力の入った、素晴らしい舞台が多かったように思います。

個人的には舞踊では、ヴィオラ・ダ・ガンバで踊ったパトリシア・ゲレーロ、

ダビ・コリアとダビ・ラゴスらによる大作『ファンダンゴ！』（ヘレスのフェスティバルでも上演されるそうです）は、歌も踊りもギターもサックスも照明も全部本当に素晴らしく、どんな格の高い劇場でも評価されるであろう作品でした。

歌ではディエゴ・デル・モラオ、ダニ・デ ・モロン、ニーニョ・セベという三人のギタリストが伴奏したエル・ペレと

ロックコンサートのようなトレメンディータが最高でした。

伝統的なものも、新しいものも、みんなそれぞれ個性的で楽しませてくれました。次回は2年後、2022年。今年予定されたものの、大人数の出演などが理由で公演できなかったもの、ラファエル・リケーニとオーケストラの共演やアンドレス・マリンの『神曲』などが上演されるはず。今度は日本をはじめとする世界各国の人たちと一緒に楽しむことができますように。

なお、セビージャではタブラオでも公演を再開するところが増えてきています。これについては次回！