【スペイン・フラメンコ復興ニュース】タブラオの現在

10月25日、スペインでは再び警戒事態宣言が発令されました。3月のような、食品と薬の買い物、犬の散歩以外の外出禁止という事態ではないものの、各州との出入りの制限や夜間外出制限など、地域によって様々な制限が行われています。

バルセロナでは10月15日からバルやレストランが閉鎖となったのに加え、10月末には劇場や映画館も閉鎖となり、予定されていた公演も中止、もしくは延期になってしまいました。が、マドリードやセビージャでは様々な対策をとりながら劇場公演が続いています。

セビージャではギター祭が開催、ディエゴ・デル・モラオやカニートが素晴らしい演奏を聴かせてくれました。またセントラル劇場でのフラメンコ公演シリーズ、フラメンコ・ビエネ・デル・スールも始まりました。

Festival de Guitarra Sevilla

劇場公演に比べ、再開が遅れているのがタブラオです。公立も多い劇場と違い、タブラオは全て私営。またその観客のほとんどが観光客ということもあり、観光客が戻るまでは、と営業を控えていたところがほとんどです。

最初に営業再開したのはセビージャのタブラオ・アルバレス・キンテーロで、7月1日のことでした。11月7日現在も19時と20時半、1日2回のショーを開催中です。

セビージャではその後、9月にはクリスティーナ・ヘーレン財団のトリアーナ・フラメンコ劇場が火木土のみですがオープン。また10月9日からはサンタ・クルス外のラ・カサ・デ・フラメンコ、17日にはクリスティーナ・オヨスのフラメンコ 舞踊博物館も、と次々に再開しました。残念ながら秋のシーズンが終わり、再び、扉を閉ざしてしまいました。トリアーナ・フラメンコ劇場は土曜日のみの公演が予定されているようですが。なおセビージャの老舗タブラオ、ロス・ガジョスエル・アレナルパティオ・セビジャーノなどは閉まったままです。

マドリードでは9月25日から、老舗タブラオ、トーレス・ベルメハスがオープン。かつてカマロンも出演していたこの店の舞台はかなり高くなっているのですが、そこをプラスチックで囲んで対策はバッチリ。アルハンブラ宮殿をイメージしたアラブ風の豪華な内装の中、フラメンコを楽しめます。開店前日の様子のルポがdeflamenco.comの動画に上がっていましたのでご紹介しますね。

観光客が戻ってきて全てのタブラオが前のように営業できるまでにはまだ時間がかかりそうですが、スペインのフラメンコ、少しずつでも、前に進んでいます。

マドリードのテアトロ・フラメンコも、10月から土曜日のみの公演が始まりました。またマドリードのシルクロ・フラメンコという会員組織の特別公演も行われているようです。早く元のように毎日公演が行われるようになりますように。

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