【スペイン・フラメンコ・ニュース】セビージャのペーニャでの日本人フラメンコ・アーティスト公演

9月15日、セビージャのペーニャ、セロ・デル・アギラで『シン・フロンテーラIII』という公演が行われました。国境なし、というタイトルが示すように、スペインの国境を遥かに超えた日本のフラメンコ・アーティストたちが出演する公演です。セビージャ出身で日本在住の歌い手、エル・プラテアオがコーディネートしているもので、前回2019年から、コロナ禍で、少し間があいてしまいましたが、今回で3回目ということです。

ペーニャとは愛好会のことで、元々、仲間の集まり、という意味もあり、フラメンコだけでなく特定のサッカーチームのファンが集まるものやカディスならカーニバルの合唱団、また釣りなどの趣味での集まりからマラガではご近所の仲良しクラブ的なものもあります。基本、会員が会費を払い、貸店舗などの場所を借り、バーコーナーなどをもうけ集うのが一般的です。フラメンコのペーニャでは舞台を持つところも多く、フェスティバルやコンクールを主催するところもあります。

雨の予報で当初予定されていた野外から倉庫街にある劇場の稽古場的なところでの公演になりました。セビージャ市東部の、観光客が行くことはまずない場所ですが、会場は会員をはじめ、プラテアオの家族や友人、日本ともゆかりが深いアーティストたちや留学生などで立ち見も出るほどの盛況でした。

トップバッターは留学中の岸田瑠璃。真摯なシギリージャを。
遠藤郷子はトゥデラの伴奏に支えられトリアーナのソレアの難しいメロディをしっかり歌い、
出水宏輝は彼らしいタラントで
プラテアオは心に染みるファンダンゴで観客を沸かせます。
最後は瀬戸口がソレア・ポル・ブレリアをそつなく踊り

皆、臆することなく堂々と自分のフラメンコを表現し、最後は全員総立ちで拍手となりました。フィン・デ・フィエスタでは、この日セビージャに着いたばかりという田村陽子や会場に駆けつけたフアン・カンタローテ、フアン・ビジャールjr、ホセ・アニージョも舞台に上がる華やかさ。

フラメンコはスペイン生まれではあるけれど、今や世界中どこにでもフラメンコを愛する人がいて、真剣に取り組んでいます。。生まれ故郷スペインへのリスペクトは大切ですが、何も遠慮する必要はなく、敬意を持って学んだら敬意を持って自分の表現で挑んでいくのも大切。敬意と愛があれば世界は広がる、そう信じています。

 

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