スペイン国立バレエ団が来日!
- 2024/11/16
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6年ぶりにスペイン国立バレエ団が来日! スタッフ含めおよそ80人が来日し、唯一無比の豪華な舞台を繰り広げます。この機会を見逃しては一生の損!
1978年に創立されたスペイン国立バレエ団、初代監督はアントニオ・ガデス、2代目監督はグラン・アントニオと、フラメンコに携わるものなら誰もが知る舞踊家が、礎を築き、その後、クラシックバレエ団と一体化した時期などもへて、多くの素晴らしい作品を、才能溢れた踊り手たちを生み出してきました。アントニオ・カナーレス、ハビエル・ラトーレ、ハビエル・バロン、アイーダ・ゴメス、ホアキン・コルテス…みんな国立バレエ団の出身です。現監督のルベン・オルモ、前監督のアントニオ・ナハーロやマドリード・スペイン舞踊団監督のヘスス・カルモナもそうですね。
世界的なパンデミックの影響で、2021年に予定されていた公演が中止となり、今回、2018年以来6年ぶりの来日です。バレエ団にも若い才能が加わり、今回が初めての日本というダンサーたちもたくさんいます。スペイン舞踊にしても、フラメンコだけをとっても、スペイン国立バレエ団に限らず、全体的にダンサーたちの技術レベルがあっがているというのは、どんな舞台を見ても実感されていると思うのですが、国立は特にすごいと思います。姿勢、身体の使い方、という基本がしっかりしているので、何を踊っていても安心感があり、美しいのです。それに加え、圧倒的な人海戦術。群舞の迫力は他に類を見ません。
今回はAプログラム『ヘネラシオン世代を超えて』、Bプログラム『インボカシオン祈り』という二つのプログラムを上演します。
ヘネラシオン、世代の違う振付家たちの作品が楽しめる Aプログラムは、スペイン国立バレエ団の代表作、84年の初演以来、途切れることなく上演され続けているスペイン舞踊の名作、カナーレスやラトーレが初演で踊った『リトモス』に始まり、
2022年に初演された女性ダンサーのソロ2作品、アントニオ・ルス振付『パストレラ』と
ルベン・オルモ監督振付『ハカランダ』が
日替わりで上演され、二代目監督グラン・アントニオ振付の古典『サラサーテのサパテアード』、
1987年初演のホセ・グラネーロ振付『ボレロ』へと続く、
スペイン舞踊の古典から新作を並べてみることができる第一部。アントニオ・カナーレスの90年代らしさに溢れたフラメンコ作品『グリト』の第二部では、ポル・バケーロ、モニカ・フェルナンデス夫妻、エル・フンコもゲスト出演して華やかに盛り上げます。
2020年、パンデミックでスペインで外出禁止令が出される10日ほど前にヘレスで初演されたBプログラムは、ルベン監督就任後初の新作。エスクエラ・ボレーラの新作、迫力いっぱいの『インボカシオン・ボレーラ』、
ボレーラ、フラメンコ、ダンサ・エスティリサーダと、スペイン舞踊の三つのジャンルの要素にコンテンポラリーの要素も加わったソロ作品『ハウレーニャ』、
アントニオ・ナハーロ前監督による国立への最後の振付『イベリア讃歌』は古き良きスペイン舞踊をより洗練された形で見せていくような作品。
休憩を挟み、今度はマリオ・マジャへのオマージュとしての『フラメンコ組曲』です。これはマリオのファンにはもちろん、新しいフラメンコ・ファンにもぜひ観てほしい作品。日本ではアントニオ・ガデスほどポピュラーな存在にはなりませんでしたが、イスラエル・ガルバンやベレン・マジャ、ラファエラ・カラスコを育てた巨匠で、今の踊り手たちも多大な影響を受けた名舞踊家です。ディエゴ・カラスコの、スタンダードなフラメンコを一捻りしたような楽曲で、フラメンコの楽しさを満喫できることでしょう。
スペイン舞踊の多彩な魅力を味わうのに、こんなにいい機会はありません。ぜひぜひ、劇場に足を運んでみてください。
ちなみに、かつてクラシコ・エスパニョールとよばれていたクラシック音楽などで、フラメンコやボレーラ、民族舞踊などのテクニックを使って踊るスペイン舞踊、今はダンサ・エスティリサーダと呼ぶようになりました。このことについてはルベン監督が先日インタビューした時に「ダンサ・エスティリサーダです。これはアントニア・メルセ“ラ・アルヘンティーナ”が、四つ目のスペイン舞踊のジャンルとして始めました。エスティリサーダはカスタネットを使うことも含めて、すべてのジャンルが、一緒になったものです。以前はクラシコ・エスパニョールと言われていましたが、グラン・アントニオがダンサ・エスティリサーダとよぶようになったのです。クラシコ・エスバニョールという言葉はいろんな意味があり、誤解を招く可能性もあったからではないかと思います*。例えば、アルベニスやファリャといったスペイン人作曲家のクラシック作品のみを踊る、というような。私たちはストラビンスキーやラヴェルなど他の国の作曲家の作品も踊りますし」と教えてくれましたが、確かに、クラシコ・エスパニョールとスペイン語で検索すると上がってくるのはサッカーのレアル・マドリードとバルセロナの試合、クラシコのことだったりしますので、エスティリサーダと呼ぶのは理にかなっているように思います。