【スペイン・フラメンコ復興ニュース】ブレリアのコンクールでRhina受賞

賞状を手にするRhinaさん。(本人提供)

日本人バイラオーラ、La Rhinaが9月4日セビージャ県ウトレーラで行われたブレリアのコンクールの成人部門で“最も完璧なブレリア賞”を受賞しました。

ウトレーラ市役所主催によるこのコンクール。通常の舞踊コンクールとはひと味もふた味も違います。

スペインのフラメンコ舞踊コンクールでは、普通、参加者はそれぞれに歌とギターの伴奏者と練習を重ねて臨むのが普通。コンクールによってはオフィシャルの伴奏者を準備しているところもありますがそれは少数派。参加者は衣装や髪のあしらいまで気をつけて舞台に出ます。が、このコンクールはブレリアはブレリアでも、曲としてのブレリアではなく、フィエスタのブレリアのような短いブレリア。参加要綱には1分半の短いブレリアの歌で踊る、とあります。振り付けでのブレリアではなく、即興で踊るパタイータのコンクールと考えると良いかもしれません。12歳以下の子供、17歳以下の青少年、そして成人の部門があり、その成人部門での受賞です。

La Rhina、本名元川里菜は横浜生まれ。90年代にアメリカでフラメンコを学び始め、2004年頃からスペインへの行き来を始め、アンヘリータ・バルガスやコンチャ・バルガス、トロンボなどに師事し、2013年からスペインに住み、現在はセビージャを拠点にペーニャやフェスティバルなどに出演するなど活躍しています。

「フラメンコのコンクルソに出たのは初めてでした!最近、良いフィエスタもないし、仕事も少なく、踊る機会があまりないので楽しそうだな、と思わず参加してしまいました。特に私の大好きな昔からアルテたっぷりのウトレラで、とのことだったので誰が歌うとかは着くまでわからなかったのですが、すごく楽しみでした。実際プレミオをいただいてしまって、ビックリしました。特に、カンテがゆったりしたペソのあるロマンサーダだったのでルールだった最長1分30秒より長く踊ったので「失格」だったはずなのですが、カンテに時間がかかったからという理由で審査員のご意見全員一致でプレミオを決めていただいたとのことでほんとに恐縮です。ただ普通のフィエスタのスタイルで、プラザで丸くなっている真ん中で踊ると聞いていたたので、ナチュラルな形式を楽しみにしていたのですが、最終的にコロナのせいでステージで開催され、ムシコも上の段に座っていて、観客も遠くで最初は冷たい感じだったのでそれがちょっと残念でしたが、踊り始めると盛り上がってくれたのでよかったです。でも早く前のように戻れるといいですね」と、La Rhinaさん。

©︎Inma Rodríguez

少しずつ、以前のようにイベントも開催できるようになっているスペイン。今年はラ・ウニオンのコンクールも開催され、ここでもカナダ出身で日本人の母を持つフルート奏者ララ・ウォングが楽器部門で優勝しています。彼女の話も聞いているのでこちらもまた近日中にアップします。

なおコンクールの模様のビデオがYoutubeにアップされていました。Rhinaさんは50.50あたりからです。

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