「ネットライブに関する調査」最終報告

【当アンケートについて】
◼️目的:本調査(アンケート)は、フラメンコのネットライブに対し、視聴者がどのような意見を持っているかを明らかにし、今後のネットライブの運営をする関係者の皆様に参考にしていただくことを目的としています。

◼️調査期間:2020年5月7日~2020年6月30日

◼️調査方法:未来を創るアイデア広場のWebサイトのアンケートフォームにて回答を募集(https://jpflamenco.wixsite.com/miraihiroba/publications

◼️有効回答数:80件

 

【アンケートの要約】

・今回のアンケートでは「80名」の方から回答を頂き、そのうち実際にフラメンコのネットライブを見たことがある方は「48名」です。見たことがある方のうち、ネットライブに対して好意的な評価が大半。5段階評価にて、高評価の「5」「4」を付けた方は、ネットライブを見たことのある回答者48名中35名となりました。(1.ネットでのフラメンコライブ視聴についてより)

・ミュージックチャージは2000円以下が「86.8%」と最多、また、今後も条件付きを含めて「83.9%」の人がネットライブを見たいという結果。(2.ネットライブのチャージと支払方法、2−7.ネットライブを今後見たいと思いますか?より)

・画質と音質に関する調査に関して、5段階評価にて画質の平均点は「3.13点」、音質の平均点は「2.91点」となり、前回の中間集計(2020年6月6日集計)の、それぞれ画質「2.85点」、音質「2.77点」より向上している。(3.ネットライブの音質と画質、中間集計リンクより)

・「画質」の良し悪しよりも、「音」の良し悪しの方が、ライブの評価に対してやや支配的。(4.ネットライブの評価と、音質・画質の評価の相関より)

・ライブ中の問題点の中で目立ったのキーワードは、「途切れる」「(音が)上ずっている」「ズレる」となり、映像の途切れ、映像と音声との音ズレによる違和感に課題がある模様。(8.ライブ配信の問題点より)

・残念だった点・問題点、良かった点、ご要望、こんなライブがあったら見たい!という観点について、記述式回答の設問よりコメントより抜粋します。(8.ライブ配信の問題点(記述式回答)、9.ネットライブへの要望(記述式回答)、10.こういうネットライブであったら、見たい!(記述式回答)より)

◼️残念だった点・問題点
・映像が荒い、音がクリアではない。
・切れる、音が飛ぶ、画像と音がずれる。
・音と映像にズレがある、時々早送りみたいになる、フリーズする。
・動きが速くなると画像がコマ送り気味になる。盛り上がるところでギターの音が薄くなったり消えたりたする。
・大きな画面で見る場合の画質が悪い。
・ライブ映像の品質としてはまだ全く金をとれる合格点にはいっていない。
・フラメンコはお客さんも参加してこその一体感。それが一方通行なので、なんだか熱くなれない。
・全体が映っていない、脚が見えない。などありましたが、現場に行っても前の人で見えない事はあるのでそこは気にならない。画面がフリーズした時は残念。
・定点カメラだった点
・ハレオのないライブはやっていても味気なく、フラメンコ においてハレオは炎にくべる薪みたいなものなのだと改めて実感しました。(私はネットライブの配信側です)

◼️良かった点
・自宅でリラックスして見れるのは良い。
・配信後もアーカイブで、好きな時間にライブが楽しめる。
・リアルタルムのライブは、ボクシングの生中継のようなわくわく感がうれしいです。
・ライブ配信の需要はあると思う。「場所と時間」を乗り越えられるネットの環境は、発信者にも受け手にもメリットがある。
・コメントを書き込んだり他の人のコメントを読んだり、自宅で家族としゃべりながら見られたりするのは、ネットライブのいいところだと思います。
・時間的にタブラオまで行けないと言う私の様な状況の人。一人でゆっくり楽しみたい人にはとても良いと思います。
・この状況下でフラメンコが観れる事は、素直に嬉しい。自宅で観れるのは楽だし、密にならず安心。
・地方在住や子育て中などリアルにタブラオに行けないものにとっては、観れるだけで嬉しい。コロナが終息してもリアル観客とネット観客とあると嬉しい。
・五回ほど拝見しましたが、最初の二回ほどは画質や、音質、動画途切れたりしましたが、回を重ねるごとに、改善されてとても楽しめるようになりました。
・リアルタルムのライブは、ボクシングの生中継のようなわくわく感がうれしいです。
・中央前席で見られる臨場感。

◼️ご要望
・ネットならではの、説明や語りかけがもっとあったら楽しいのでは。
・画質がもう少し上がると更に臨場感があるのかもしれない。
・主催者が真摯に考え続けないことには、ライブ配信は自己満足の方向にいってしまうのではないかと危惧している。
・ネットライブではタブラオでできないような演目があると楽しいのではないかと思った。例えば、ヌメロに対して思い出のようなものを語ってくれたり、踊り手みんなで一つのヌメロを掛け合いで踊ったり…
・照明は明るめにお願いします。
・通信ミスの場合のために最低半日程はアーカイブ等で見られると安心して買う事ができます。

◼️こういうネットライブであったら、見たい!
・解説つき
・遠方の方々、珍しい組み合わせ
・群舞
・MCがあるもの
・ライブの終わり頃に出演者と視聴者がコミュニケーションできるライブ
・視聴者からの即興のリクエストがあったら見たい
・ネットライブでこそ価値ある映像や出演者のプロフィールやライブ解説、ギターのアップなど映像によって技術が学べるライブがあったら見たい
・初心者用説明付のライブが見たい

■こんなご意見もいただきました。
・踊りのライブをやるには、まだ何倍もノウハウを積み上げないと無理。
いま、ナマを観に行かれないというストレスフルな状況と、仕事がないアーティストを応援したい気持ちと、珍しいライブ配信を見てみたいという新鮮さで、人が集まってくれている。
しかし、ライブ映像の品質としてはまだ全く金をとれる合格点にはいっていない。
まだライブ配信の投げ銭レートも明確ではないし(無料も多い)、売り物にしたいのかどうかもわからないけれど、タブラオでできていたことを電波にのせるだけなら、「ライブ」というリスキーな形をとらなくても、きちんとした録画を動画サイトなどにあげてもよいはずと思う。
それでも、受け手がライブを喜ぶのは、どんな不具合があっても「たった今、この人たちと時間を共有したい」という強い思いがあるからだ。
コロナ禍が去っても、ライブ配信の需要はあると思う。
「場所と時間」を乗り越えられるネットの環境は、発信者にも受け手にもメリットがある。
しかし、ネット配信だからやれる「よいライブ」について主催者が真摯に考え続けないことには、ライブ配信のフラメンコは自己満足の方向にいってしまうのではないかと危惧している。
フラメンコ2030とこのテーマが繋がるとしたら、このような意見と共に、具体的なノウハウの拾い集めと開示・提供の場になって欲しいな、と思ってます。

・もはや、ただ配信をやればよいという段階では無い。
むしろ内容を相当吟味して、質の高いものを提供しないと、結局関係者が付き合いで視聴するという範疇を超えられず、それすら早々に行き詰まる(視聴者が離れる)と思われる。
動画があふれている現代、リアルタイムの配信より、レベルの高い内容の動画の方に人は流れる。
また、問題は、客(視聴者)がほぼフラメンコ関係者であろうという点。

せっかくネットで誰でも見られるのだから、一般にもっと宣伝して、フラメンコに普段触れない一般の方にも気軽に楽しんで見てもらい、裾野を広げるべきではないか。

  

【アンケート目次】

1.ネットでのフラメンコライブ視聴について
2.ネットライブのチャージと支払方法
3.ネットライブの音質と画質
4.ネットライブの評価と、音質・画質の評価の相関
5.ネットライブを今後見たいと思いますか?
6.ミュージックチャージの支払い方法は何がよいか
7.ネットのライブと、タブラオでのライブ、どちらが良いと思いますか?
8.ライブ配信の問題点(記述式回答)
9.ネットライブへの要望(記述式回答)
10.こういうネットライブであったら、見たい!(記述式回答)

 

【アンケート結果】

1.ネットでのフラメンコライブ視聴について

2.ネットライブのチャージと支払方法

3.ネットライブの音質と画質

4.ネットライブの評価と、音質・画質の評価の相関

5.ネットライブを今後見たいと思いますか?

6.ミュージックチャージの支払い方法は何がよいか

7.ネットのライブと、タブラオでのライブ、どちらが良いと思いますか?

8.ライブ配信の問題点(記述式回答)

ワードクラウドにて分析

原文抜粋

9.ネットライブへの要望(記述式回答)

ワードクラウドにて分析

原文抜粋

10.こういうネットライブであったら、見たい!(記述式回答)

原文抜粋

ネットライブに関する調査結果は、以上となります。

※当アンケート内で、同時にご回答いただきました、フラメンコ界の課題に対する調査結果は、別途報告いたします。

関連記事

ページ上部へ戻る