【スペイン・フラメンコ復興ニュース】へレス、おうちからフラメンコ

【スペイン・フラメンコ復興ニュース
 vol.4 へレス、おうちからフラメンコ。ウエブもリニューアル
文=志風恭子

へレスはフラメンコの故郷です。メッカと言っていいかもしれません。フラメンコの歴史に欠かせない、多くの素晴らしいアーティストを、また歌のスタイルを生み出してきました。

へレスはイベリア半島最南端カディス県で一番人口が多い街。この街のお酒、シェリー酒は、世界中で親しまれていますが、シェリーと名乗れるのはこの街界隈で作られたお酒のみ。また昔から名馬の産地で馬術学校もあり、かつてはF1、今もMotoGPが開催されるサーキットでのレースをテレビで見たことがある人も多いのでは?

ヘレス市内中心部になるビジャマルタ劇場はへレスのフェスティバルのメイン会場。©Kyoko Shikaze

フラメンコ好きにとっては、毎年恒例2月末から2週間にわたって開催される、世界で唯一のフラメンコとスペイン舞踊に特化したフェスティバル、へレスのフェスティバルでおなじみでしょう。そのフェスティバル中に発表された夏のフラメンコのプログラム、金曜日のフラメンコやブレリア祭は今年は中止となってしまいました。ブレリア祭は今年のプログラムがそのまま来年に持ち越されるそうです。イベントの人数制限などを考えると仕方がないのかもしれません。

でも、ここ数年、以前にも増してフラメンコに力を入れているへレス市役所がそれまで黙ってじっとしているわけはありません。地元のアーティストによる動画を公開しています。名付けておうちからのフラメンコ。フラメンコ・デズデ・カサ。

文字通り、アーティストが自宅で、素のままのフラメンコを見せる動画です。照明も音響もありません。自宅の居間から、あなたの家にまっすぐ届くフラメンコです。運良く同居家族にギタリストがいる人以外は伴奏なし。リズムを刻んでくれる家族と共演している人もいるけれど、全くのアカペラで歌っていたりもします。

若手のサイラ・マレーナかベテラン、ビスコ・デ・ロス・カマロネスまで。踊りはエステル・アランダだけ。ギターソロがないのは残念だけど。素顔のフラメンコぜひ見てください。

なお、へレス市のフラメンコのウエブも、リニューアルしました。たくさんのビデオ・アーカイブもありますよ。

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