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【スペイン・フラメンコ復興ニュース】
vol.3 セビージャのビエナルはたとえストリーミングででも開催
文=志風恭子
5月11日からスペインのほぼ半分の地域で、外出制限等がさらに緩和されます。マドリードやバルセロナ、そしてマドリードに近い、アビラなどカスティージャ・イ・レオン地方やトレドなどはこれまでの制限が続きます。つまり、年齢による時間制限内でのみの散歩やジョギングはオーケーだけど住んでいる市から外に出ることもできないし、友人や親戚との会合は不可。レストランやバルはお持ち帰りと出前だけの営業。個人商店も予約客のみに対応で営業可能。
アンダルシアのグラナダとマラガを除く6県は、フェーズ1という、解除初期段階に入りました。県内の移動か可能となり、デパートやショッピングセンター以外の個人商店等も営業再開。バルやレストランも、定員の半分という制限はあるもののテラスのみで営業開始。教会など宗教施設も定員の3分の1までという条件つきで開けることができます。図書館や博物館、美術館も条件付きで開館。屋内で定員の3分の1までで30人まで、野外で200人までの観客を前に公演も可能となりますが、フラメンコ公演も行われるようになるのでしょうか。今のところそういう話は聞こえてこないけれど、やってほしいなあ。
毎年6月に行われる、最も歴史の古いフラメンコ・フェスティバル、ウトレーラのポタヘ・ヒターノ祭や7月のコルドバ、ギター祭は早々に中止が決定しました。6月から7月にかけてのグラナダの国際舞踊音楽祭はとりあえず前売りの延期中。そんな中、世界最大のフラメンコ祭である、セビージャのビエナルはこの秋の開催を断言しました。
9月4日から一ヶ月に渡って70公演が予定されていましたが、主催者であるセビージャ市のアントニオ・ムニョス文化担当官によると、たとえ無観客のストリーミング配信となってでも開催するとのことです。現在、内定していたプログラムを、再編成しているところだそうです。
プログラムの詳細はまだ発表されていませんが、閉幕を飾る予定だったアンドレス・マリン振付の『神曲』は、ロシオ・モリーナ、ホセ・バレンシア、イネス・バカンらが出演する新作超大作は、たくさんの人で稽古を重ねることができないという判断で2022年のビエナルの開幕作に変更になったそう。なお、ここに名前を挙げたアルティスタたちは皆、他の作品で出演するそうです。また、ラファエル・リケーニのセビージャ交響楽団との共演も、やはり稽古の関係もあって実現できるかどうか微妙とのこと。なお、オテル・トリアーナでの4公演も中止とか。
詳しいプログラムが発表されたらまたお知らせしますね。
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